ケガの治し方

『四十肩・五十肩』からの復活!【完全攻略ガイド】

四十肩、五十肩を攻略する方法

う、うでが上がらない!

40代から60代で多く見られる「四十肩・五十肩」は程度の差は人それぞれですが、夜眠れないこともあり非常に厄介です。

今回は、痛めた直後の対処法と注意点、予防までしっかりと解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください!

四十肩・五十肩とは

肩の関節が急に痛くなり、腕が上がらなくなります。

服を着たり脱いだりなど、ひねり動作で痛みが強くなるのも特徴です。

年齢的に40代または50代に差し掛かった時に痛めることが多く、人によっては肩関節の前側だったり後ろよりだったりしますが、肩関節周りが急に痛くなることを総称して「四十肩」もしくは「五十肩」と呼びます。

原因は?

高い場所のものを取ろうとした時などに痛めることも多いですが、原因がわからず、いつの間にか痛めてしまったということもよくあります。

ただ、根本の原因は、肩関節の周囲の腱や腱板もしくは「関節包」と呼ばれる関節を包む組織が、年齢によって少しずつ固く、弱くなってきたところで、ふと、腕を上げた時などに痛めます。

つまり、年齢による「老化」が原因の一つなんですが、日頃の「姿勢」や「運動不足」などの生活習慣も大きな原因になっています。

むしろ、この積み重なった「生活習慣」こそが最大の原因です!

この原因を踏まえて、これから「最短」で復活するためのロードマップを説明していきます。

痛めてしまった!まずどうすれば…

痛みの程度は人それぞれですが、まずは安静が大切です!

よく、「四十肩・五十肩は、固まってしまうので動かした方が良い」と考えて、動かすようにしている方が多いですが、ぎっくり腰や足首の捻挫と同じように、痛めた当初は炎症があるので、まずは痛めた場所を「いかに休ませるか」が大切です。

なかなか安静にできない方や、筋肉量が少ない方は、1ヶ月くらい痛みが続いてしまうこともありますがここで焦ってはいけません。

ただ、肩の関節は、起きている限り、持続的に腕の重さの負荷になってしまうので、なかなか安静が難しい場所です。

そこで、まず、できるだけ早く炎症を収めるためにやるべきことを説明します。

①出来るだけ、腕の重さを解放する(負担の無い姿勢で横になる、デスクワークの時は腕をテーブルに乗せる、運転中は肘置きに腕を乗せておく)

②起きているときは、出来るだけ肘を体から離さないようにする(三角巾で腕をつっている時の姿勢がベスト!)

③何かを持つときは、出来るだけ体の近くで、肘を曲げて体の正面で、腕の力を使わずに(足の力を使って)持つ。

安静を保つための固定方法はこちらの動画で▼▼▼

三角巾のつけ方

一つだけ注意しなければならない事

四十肩・五十肩をこれから治していく上で、一つだけ注意しなければ事があります。

それは、実は四十肩・五十肩ではなく、「腱板断裂だった」ということがあります。

症状的にも似ている所があるので少し詳しく解説します。

腱板断裂とは

肩の関節には「インナーマッスル」と言われる筋肉がいくつかあります。「インナーマッスル」といわれるくらいなので、何層にもなっている肩関節の深い所にあって、肩関節を安定させる役割があり、大きく4つあります(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)。

これらの筋肉が集まって肩関節の少し下、上腕の上の部分にくっついています。

この筋肉の集まる場所や手前の部分が「四十肩・五十肩」で痛めやすい原因になりやすいのですが、この中で棘上筋と呼ばれる筋肉が、腱となって骨に着く部分(腱板)が断裂を起こしやすいと言われています。

これを「腱板断裂」と言います。

原因としては、転倒して手をついたり、肩から落ちたり、野球で投球動作をし過ぎたりなど、特定の原因があることも多いですが、いつの間にか断裂していた、ということもあります。

症状が似ていることもあり、区別がつきにくいということがあるのですが、「腱板断裂」の特徴として、

①力が入りにくくなる。もっとも断裂しやすいのが棘上筋で、ここが断裂すると、腕を横から挙げるときに力が入りにくくなります。(四十肩・五十肩では上げ始めの筋力低下は基本的にないです)

②夜寝ているときなどに痛みが強くなったりする。

③腱板断裂は40代、50代というよりは60代以降くらいの方に、割と多い。

などがあります。

ただ、確定するには「MRI」で検査しなければいけないので、痛みがなかなか引かなかったり、上記のような症状がある時は整形外科で一度その旨を伝えて受診してみてもいいかもしれません。

炎症が治まってきたら…

生活習慣や、体力レベルによって個人差はありますが、安静が保たれれば、痛みが和らいできます。

そうしたら今度は、少しづつ動かしながら治していきます。

ひたすら安静にすると、硬く治ってしまうのでリハビリが大切です!

ただ、やりすぎてしまうと回復を妨げてしまうので、やり方や、強度、頻度を考えて、段階的に行う事が必要です。

では、関節の可動域を回復するためのリハビリ方法を5種類ご紹介します!

①ダンベルブラブラ運動

テーブルなどに手を付いて体をかがめ、ダンベルを持って腕をダラッとたらし、ぶらぶら脱力した状態にして、前後または左右にそれぞれ10回~20回振り子運動のように動かします。

しっかり脱力して、重力に任せて振り子運動をするのがポイントです。

この運動によって、肩を取り巻く腱や関節包といった組織の緊張が取れ、また、上腕が肩関節からけん引されて関節面が開き、関節液の循環を促して、関節に栄養を届けます。

②エアークロール、背泳ぎ、平泳ぎ

立った状態で、水泳のクロール、背泳ぎ、平泳ぎの動きをそれぞれ10回~20回づつ出来る範囲の可動範囲で脱力して行います。

クロールと背泳ぎは肩関節、平泳ぎは肩甲骨の可動訓練になります。

③外旋運動

立って、両肘を90度に曲げて、体にくっつけた状態で両肘の前腕(肘から下)を肘は動かさず、両こぶしが離れていくように開いていきます。

この開いて戻してを繰り返します。

④内旋運動

次に、同様に肘を90度に曲げて、今度は手の甲を体側につけて、張り出した肘を反対の手でつかんで、体の正面に引き寄せます。

⑤壁に手を付いてしゃがむ運動

壁の横に立ち、ひとまず上げらえるところまで腕を上げて、壁に手を付きます。

そこから少しづつ、膝を曲げて重心を下げ、肩の挙上の可動訓練をします。

しっかり脱力して、無理な反動をつけずに少しずつ伸ばしましょう!

動画はこちらをご覧ください!▼▼▼

四十肩や五十肩のリハビリ方法(可動訓練ストレッチ)

⑤棒体操

1mくらいの棒を使って可動訓練をします。

何でもよいのですが、私の接骨院では、ホームセンターで売っている、塩ビパイプを使っています(500円位で打ってます!)

やり方はこちらの動画で!▼▼▼

四十肩五十肩肩こりを改善する棒体操

再発しないために少しづつ鍛えていこう!

可動訓練と同時に、再発予防の為には、筋肉も少しずつ鍛える必要があります。

元々の原因が、年齢や生活習慣による筋力低下が背景にあるので、筋トレも大切です。

ただ、回復過程でやりすぎてしまうと、悪化させてしまうリスクもあるので、痛みの程度を考えながら少しずつ段階的に始める事が大切です。

さらに、肩の関節の動きや安定化に関連する筋肉は、関節の前後左右にたくさんあるので、バランスよく鍛える事も大切です。

では、再発防止のための、ダンベルを使ったトレーニングを8種類ご紹介します!

①ショルダープレス

立位で、肘を曲げて両手にダンベルを持ち、交互に真上に上げる動作を繰り返します。

②アームカール

立位で、腕を体に付けて、肘を伸ばしてダンベルを持ち、両肘を同時に曲げる動作を繰り返します。

③ラテラルレイズ

立位で、両手でダンベルを持ち、下から腕が水平になるところまで真横に上げていく。

肘を伸ばすと肩の負担が大きくなるので、肘を少し曲げて行う。

④バックレイズ

立位で、お尻を引いて体を前傾させ、片手でダンベルを持ち、腕を真後ろに上げる。

肘を伸ばすと負荷は強くなりますが、少し曲げても大丈夫です。

⑤フライ

立位で、軽く肘を曲げて両手にダンベルを持って体を反らし、肘の角度を変えずに両方のダンベルをくっつける様に両腕を近づける。

⑥ベントオーバーローイング

立位で、膝を軽く曲げて、お尻を引いて体を前傾させ、腕を垂らして両手にダンベルを持ち、肘を曲げながら両方のダンベルをお腹に引き付けるように腕を後ろに引いていく。

両方の肩甲骨を背骨に引き寄せるイメージで行う。

⑦外旋運動

片膝をついて、肘を直角に曲げて体側に付け、体をダンベルを持っていない側に側屈し、肘の角度を変えずにダンベルを引き上げる。

⑧内旋運動

片膝をついて、肘を直角に曲げて体側に付け、体をダンベルを持っている側に側屈し、肘の角度を変えずにダンベルを引き上げる。

動画はこちらをご覧ください!▼▼▼

四十肩・五十肩・腱板断裂の回復期で、痛みが緩和してきたら少しづつ行うと良いダンベルトレーニング

まとめ

四十肩、五十肩は、足首の捻挫などと同様に最初は炎症反応が伴うので、

安静→「炎症反応、痛み」が治まってくる→段階的に動かしながら機能を回復させていく(リハビリ)

という「けがの回復の原則」に沿って治していきます。

ただ、肩関節は、何もしていなくても腕の重さが負荷となってしまったり、日常生活で安静にしにくいといった特徴もあるのでこれらを考慮してリハビリしていく必要があります。

さらに、将来的に再発を予防する事も大切なので、今回ご紹介した可動訓練やトレーニングは、痛みが無くなっても続けると良いので、ぜひ覚えて習慣化してください!

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