足首をギクッとやってしまった!
この直後から、どのように処置し、どのタイミングでどういったリハビリをするか。
この流れを理解することで、治り方が大きく変わってきます。
今回は、足首の捻挫直後からの正しい治し方と、再発の防止策を順を追って解説していきます。
ぜひご覧ください!
目次
まず、最初にする処置
足首を「グキッ」っとやってしまった時、すぐにすることは、
✔「RISE」処置
安静 なるべく体重を掛けず、横になって足首を休める
冷却 氷水などを氷嚢やビニール袋に入れて、患部を冷やす(10~15分くらい)圧迫 包帯やサポーターなどで圧迫固定する
挙上 横なって枕のようなものに足を乗せて、足を高くする
の4つの処置が基本です。
足首を冷やした後、包帯やサーポーターで圧迫、固定し、立っている時間を短くして横になって足をまくらなどにおいて高くし、ひたすら休む。
痛めてから2~3日は炎症反応があるので、この様に過ごすことが大切です。
腫れと痛みの程度がひどければ、整形外科でレントゲンを撮ってもらい、骨折の有無を確認する必要もあります。(靭帯が骨を引っ張って剝離骨折していることもあります)
包帯の巻き方は、こちらの動画をご覧ください!▼▼▼
問題はここから。まず、捻挫の原因を理解しよう!
問題はここからです!
痛んだ靭帯は安静にしているだけだと、「硬く弱く、もしくは緩んで」治ってしまい、再発のリスクがあります。
安静が保たれ、炎症が治まってきたら、再発防止、機能回復のためにリハビリをする必要があります。
これが大切です!
整形外科では、このプロセスをサポートしてもらえないことが多いので、これからそのプロセスを解説します。
捻挫の5つの原因
捻挫の原因はさまざまです。段差を踏み外したり、人との接触(バスケやサッカーなどでは、接触プレーで誰かの足の上に乗ってしまって捻挫するなど)、交通事故など。
これらは、しょうがない(運が悪い)場合もありますが、その背景に、本人の身体の機能が関連している場合も少なくありません。
この、直接の原因の背景にある、別の原因について考えてみましょう!
①神経の機能が弱い
バランスを崩した時に立ち直る能力は、足首や足底にある神経の受容器の機能ですが、この機能が低下しているため、バランスを崩した時に、無意識に素早く立ち直る機能が弱い、という可能性があります。
②筋力が弱い
片足立ちになってバランスを崩した時に、体を支える筋力が弱い
③柔軟性の低下
バランスを崩した時にうまく立ち直るための足首、膝、股関節を中心とした柔軟性が不足している
④疲労の蓄積
足を中心とした、体を支える筋肉に疲労が蓄積していて、踏ん張りがきかなくなっている
また、繰り返し捻挫をしていて癖になっている場合、靭帯が緩んでしまって、足首の軸が内側に傾いてしまっていて、それが再発を繰り返す原因になってしまっている場合もあるので、運動前に、テーピングやサポーターによって軸を補正する必要もあるかもしれません。
これは後程解説いたします。
実際に、ここからするべきリハビリ方法!
では、これらの原因を踏まえて、具体的に何をしたらよいのか、一つずつ解説します。
マッサージ
サッカーやバスケなどで捻挫してしまう場合、「接触プレーで運悪く」ということもありますが、疲労がたまって、足首がうまく機能しない(踏ん張りがきかなくなっていた)ということがあります。
足首を安定させる筋肉は主に下腿(足首と膝の間)と足裏にあるので、ここの筋肉をマッサージすると良いです。特に捻挫を抑制する方向に働く「腓骨筋」という筋肉がありますが、ここをしっかりマッサージしましょう!
足首の場合は、自分で自分の足をマッサージするのは難しいので、家族の方にお願いするか、接骨院などでマッサージしてもらうのが良いかと思います。
あとは、もちろん睡眠も大切です。疲労と睡眠・休息のバランスが崩れた時に疲労が蓄積するので、睡眠や日中でも横になる時間を作る工夫をしましょう。
モビリゼーション
これは関節を動かす事です。
足首の場合、立っていると、体重が掛かってしまい負担がかかってしまうので、最初は横になって(もしくは座って、)体重が足首にかかっていない状態で動かす所から始めます。
捻挫とは、靭帯の損傷ですが、安静にしているだけだと、「硬く、弱く、もしくは緩く」治ってしまう可能性があります。
「硬く弱く」というのは痛んだ靭帯だけでなく、その周囲の腱や筋肉や筋膜、関節包(関節を包んでいる袋)などの組織も含んでいます。
「緩く」というのは、繰り返し靭帯が伸ばされるような動きを繰り返すと緩んだまま治ってしまうという事です。
なので、炎症が治まってきたら、
「回復を妨げない範囲で動かしながら治す」
これが大切です。
そこで、炎症が治まる受傷3日後位から
足首をくるくる回す(反対回しも)
もちろん、回復を妨げてはいけないので大きすぎない可動域で行いましょう!
ストレッチ
捻挫が治る過程で、足首の周囲の腱が硬くなることが多いので、回復とともにストレッチ、可動訓練も同時に行います。
特に足首の前側、つま先を下げる動きが、硬くなりやすいので、この動きのストレッチを特に多めにやりましょう!
足首の後ろ腓腹筋のストレッチ 両足を縦に大きく開いて、後ろの足のかかとを床に付ける動作を繰り返します。
足首の後ろヒラメ筋のストレッチ 片膝をついて、もう一方の足(ストレッチする足)はしゃがむような態勢で踵をつけるように深くしゃがみます
足首の前側のストレッチ 立った状態で、足の甲を地面に押し付けるようにして、足首の前側を伸ばします。その際、足の指も、丸めるようにするとよりストレッチできます。
正座ストレッチ 正座をして、体を後ろに倒します。手をついて体をサポートしながら、少しづつ身体を後ろに倒していきます。
モビリゼーションとストレッチ方法はこちらの動画を参考にしてください!▼▼▼
神経の機能のトレーニング
ここを原因と考えていない人は多いと思いますが、足首のバランスを保つのは足首や足底にある神経の受容器の情報を脳にフィードバックしてバランスを補正します。
この機能が弱いために、バランスを崩しやすくて捻挫に繋がってしまうケースもあります。
筋トレすれば筋肉がが付くのと同じで、神経の機能もトレーニングすれば高めることができるのでやってみましょう!
トレーニングのやり方ですが、基本は「グラグラした状態を作ってがんばる!」ことでトレーニングすることができます。
片足ジャンプ 片足立ちの状態でリズムよく連続ジャンプします。(リズムを重視して10回くらい)
片足立ちでキャッチボール 片足立ちでバランスを取りながら誰かとキャッチボールします。
バランスディスクに乗ってもも上げ 市販のバランスディスクに乗って、ゆっくりもも上げします。
バランスディスクに乗ってキャッチボール 同様にバランスディスクに乗って、誰かとキャッチボールします。
筋トレ
足首の安定に関する筋肉は足首と膝の間についているのですが、これらの筋肉は、膝や股関節と連動して使うことの方が多いので、これらの小さい筋肉を個別で鍛えるよりは、「捻挫の再発を防ぐためのトレーニング」という意味で、次のトレーニングをお勧めしています。
片脚スクワット 片足立ちで、もう一方の足は浮かせたまま前方に伸ばしながらしゃがんで戻ります。これはなかなか難しいので、最初は、どこかにつかまりながら、手の力を使って、ゆっくり行います。
トレーニング方法はこちらの動画を参考にしてください!▼▼▼
再発を防ぐテーピングの貼り方
捻挫を繰り返して、足首の軸が少し内側に傾いてしまっていて、捻挫が再発しやすい状態になってしまっている場合は、テーピングやサポーターを利用しながら、再発防止のためのトレーニングをする必要があるので、「予防のためのテーピングの貼り方」もご紹介します。
貼り方は、「スターアップ」と「フィギュアエイト」という貼り方を2本ずつ巻くのですが、捻挫を抑制したいので、「内くるぶしから外くるぶし」の方向に、足首を直角(90度)の形を作って貼っていきます。
用意するもの 5㎝幅で30㎝程度の、伸び縮みするテーピング4枚、同様の25cm程度のテープを1枚。
足首の角度 90度
スターアップ 内くるぶしから踵を通って外くるぶしに向けて貼ります。足首の軸を真っ直ぐにした状態で、足首を外側に矯正するイメージで、少しテープを引っ張りながら貼っていきます。これを、少しずらして2本貼ります。
フィギュアエイト 同様のテープを、足首の中央から、踵と土踏まずの間くらいの場所を通って、元の場所に戻します。
これも、少しずらして2本貼ります。
最後にこれらのテーピングがはがれないように、25cmのテープを、足首に一周くるっと巻きます(これは、テープを引っ張らずに巻きます)
テーピングの貼り方は、こちらの動画を参考にしてください!▼▼▼
まとめ
これらのリハビリを回復を妨げない範囲で少しづつ行います。
よくないのは、「やりすぎ」と「やらなすぎ」です。
捻挫の程度は人それぞれなので、無理のない範囲で、根気よくやっていきましょう!