ケガの治し方

【手首の骨折】ギブス解除後【自宅で続ける】手首のリハビリ完全ガイド

転んで手をついてしまったときなどに多いのが手首の骨折です。

手首の骨折は、殆どの場合、整形外科で治療が行われると思いますが。ギブス固定によって骨がくっついた後は治療が終了し、その後のリハビリについてはほとんど指示がない事が多いです。

ただ、実際にはここからのリハビリこそがすごく大切です。

本記事では、病院でのギブス固定が外れた後、自宅で安全に実施できるマッサージ、可動域訓練、抵抗運動に加え、新聞紙やスポンジバットを使った複合運動まで、具体的な手順を紹介します。

なぜリハビリが必要か:手首の骨折とギブス固定

手首の骨折は、転んで手をついた際によく発生します。特に、手首の関節のやや親指側の上にある**橈骨(とうこつ)**という骨が折れやすい場所です。

骨がずれてしまった場合は、病院でズレを戻して整え、ギブスで固定されます。骨がつくまでには一般的に1ヶ月から2ヶ月ほどかかります

ギブス固定中も指のグーパー運動などは行いますが、それ以外のリハビリはほとんどできないため、固定期間が長引くと筋肉が硬くなり、血行も悪くなります

そもそも、1ヶ月も固定していれば、筋肉だけでもかなり落ちてしまいます。

日常生活に戻れば、日常生活そのものがリハビリにはなるのですが、日常生活だけではどうしても動きに偏りが出てしまいます。

そのため、ギブスが取れた後には、「筋力、柔軟性、神経の機能」という3つの機能をバランスよく、速やかに回復させるためのリハビリを始めなければなりません。

リハビリの第一歩:マッサージによる血行促進

ギブスが外れた直後から、筋肉の硬さを解消し、血行を促すために積極的にマッサージを行います。

基本的には仰向けで寝た状態で、人にマッサージをしてもらうのが理想です。

部位
目的となる筋肉
マッサージ方法
前腕の表側 (手のひらを下にした時)
手首を反らす、または指を伸ばす筋肉
親指で押す、または立って体重をかけながら押す。痛みが出やすい場所なので、加減しながら押す。
前腕の裏側 (手のひらを上にした時)
手を握る系の筋肉
親指でしっかりと押す。比較的痛みが出にくい部位である
手のひら
指や手の内在筋
手のひらを上に向けて、指を引っ掛けて手の付け根を少し開くようにして、親指で圧をかける

可動域訓練(ストレッチ):手首の6通りの動きをチェック

手首の柔軟性を回復させるためには、手首にある6通りの動きをチェックし、それぞれをストレッチすることが必要です

手首の6通りの動きとストレッチの注意点

手首に動きは6通りあります。それぞれの動きをチェックしながら、ストレッチします。

加減をしてもらいながら人にやってもらうのが良いですが、自分で自分の手を持ってセルフで行うこともできます。

1. 屈曲(くっきょく):手のひら側に曲げる動き
2. 進展(しんてん):手の甲側に反らす動き
3. 内転(ないてん):小指側へ折る動き
4. 外転(がいてん):親指側へ折る動き
5. 回内(かいない):手のひらを下に向けるねじる動き
6. 回外(かいがい):手のひらを上に向けるねじる動

ストレッチを行う際は、以下の点に注意してください。

肘を伸ばす:肘を曲げると伸ばしたい前腕の筋肉が緩んでしまうので、肘を伸ばした状態で手首を動かすのがポイントです。
加減を効かせる:ギブスが外れたばかりの時期は、乱暴にやると痛みが出やすいため、痛みの加減をよく聞きながらゆっくり行う必要があります

牽引(けんいん)刺激の導入

ストレッチに加えて、**牽引(けんいん)**と呼ばれる刺激も有効です。これは、前腕と手を持ち、少し引っ張ったり緩めたりする動作です

加減をしてもらいながら。どなたかにやってもらいます。

自分で行うときは、鉄棒などにぶら下がって、自分で加減しながら手首を引っ張り(牽引)ます。

抵抗運動による筋力トレーニング

可動域訓練で動きをチェックした後、その動きに対して抵抗をかけることで筋力アップを図ります。必要な筋肉のトレーニングは、以下の4つの動きで概ね賄われます

一方を前腕、もう一方で手を持ってもらい、加減をしてもらいながら人にやってもらうのが良いですが、自分で自分の手を持ってセルフで行うこともできます。

No.
動作
トレーニング方法
1
手首の伸展
手首を上へ持ち上げる動きに対し、抵抗をかける
2
手首の屈曲
手のひらを上にして手首を返す動きに対し、抵抗をかける
3
回内運動
手のひらを下にし、内側にひねる動きに対し、抵抗をかける
4
回外運動
手のひらを上にした状態から、外側にひねる動きに対し、抵抗をかける

複合運動による機能訓練

手首の運動は、実際の日常生活の中では、手首単独で動かすことはなく、指や肘と一緒に動かすことが普通です。

なので、実際の手首の機能を回復させるには、複数の関節を同時に使う複合運動によるリハビリがすごく大切です。

新聞紙を使ったリハビリ

新聞紙を使ったリハビリは、指と手首の筋肉を使い、投げる動作を通じて複合運動を促します

1. 新聞紙(半紙程度)を用意する
2. この新聞紙を、両手を使ってぐちゃぐちゃに小さく丸める
3. 丸めたボールを、手首、肘、肩を使いながら投げる(ゴミ箱などをめがけて)

この一連の動作を繰り返すことで、指や手首の筋力に加え、肩・肘・手首の連動した動きが訓練されます

遊び感覚で取り組むボール打ち訓練

100円均一などで入手できるカラーボールやスポンジのポールを使った訓練は、衝撃が少ないため、ギブスが取れたばかりの時期に適したリハビリです

訓練器具:カラーボール、スポンジポール(半分に切ったもの)、スポンジバットなど
方法:カラーボールをどなたかに投げてもらい、スポンジバットで打つ
順手で打つ(テニスのフォアハンドのようなイメージ)。野球のように両手で持っても良いです。
逆向き(テニスのバックハンドのようなイメージ)で打つ

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まとめ:段階的なリハビリの重要性

今回紹介したマッサージ、ストレッチ、抵抗運動、複合運動は、手首を骨折し、ギブスが取れた後に、すぐに始めなければならない重要なリハビリです

ギブスが取れたばかりで、まだ筋力や柔軟性が回復していない時期には、子供が遊ぶような形のトレーニングから少しずつ(段階的に)始めることが回復への鍵となります

と同時に、手首には6通りの運動があり、バランスよく機能回復させるという視点も大切です。

文章ではなかなか伝わりづらいので、動画の方を是非ご覧に鳴ってください。

今回の記事の内容をまとめた動画はこちらから▽▽

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