こんにちは。みやのまえ接骨院の橋本です。
私の接骨院の患者さんにも、膝の悪い方は本当に多いです。整形外科で手術をすすめられ、それが嫌で当院にくる方も多いです。
体重や筋力、加齢など、原因は複数の要因からだと思いますが、歩き方についての本や動画などを見ていると、歩き方もすごく重要な要因だと感じました。
そこで今回は、「関節に負担のかからない【本当の正しい歩き方】」について、私が学んだことをまとめてみました。
日常の「歩く」という動作、実は知らず知らずのうちに膝や腰をいじめてしまっているかもしれません。本当の正しい歩き方とは、「足で歩く」のではなく「お腹(重心)で歩く」ことです。かつての日本人が行っていた「ナンバ歩き」や「丹田(たんでん)ウォーキング」の知恵を取り入れることで、関節への負担を減らし、歩くほどにエネルギーが湧いてくる体に変わることができます。

目次
あなたの歩き方、実は「膝を削って」いませんか?
「健康のために1日1万歩!」と意気込んで歩いている方も多いですよね。でも、ちょっと待ってください。もし歩き方が間違っていたら、それは1万回、膝や腰にハンマーで衝撃を与えているのと同じかもしれません。
最近の研究では、歩きすぎによる膝の軟骨のすり減りが問題視され、「8000歩にしましょう」なんて言われることもあります。しかし、本質は歩数ではなく「質」にあります。
現代人の多くが教わってきた「背筋をピンと伸ばし、かかとから着地して大股で歩く」というスタイル。実はこれが、関節を痛める大きな原因になっている可能性があるのです。
現代の歩き方が「疲れる」理由
なぜ、一生懸命歩くほど疲れたり、関節が痛くなったりするのでしょうか? その原因は主に2つあります。
① 「かかと着地」の衝撃
靴の性能が上がったせいで、私たちは「かかと」からガツンと着地する癖がついてしまいました。裸足で固いアスファルトの上をかかとから着地して歩けますか? おそらく痛くて無理はずです。
かかとへの一点集中は、膝や腰に体重の3倍以上の負担をかけ、関節を静かに削っていくのです。
② 「ひねり」によるエネルギーロス
現代のウォーキングは、右足が出る時に左手を振るという「体をねじる」動きが基本です。これは100m走のような短距離には向いていますが、長い距離を歩くには非常に効率が悪く、エネルギーを無駄遣いしてしまいます。
伝統の知恵「ナンバ歩き」と「丹田」の力
そこで注目したいのが、江戸時代までの日本人が当たり前に行っていた「ナンバ歩き」と、体の中心である「丹田(たんでん)」を意識した歩き方です。
【専門用語のやさしい解説】
✔丹田(たんでん): おへその下数センチにある、体全体の重心のこと。「体の司令塔」のような場所です。
✔ナンバ歩き: 手足を交互に振って体をねじるのではなく、右足が出る時に右肩(右半身)が一緒に出るような、ねじらない歩き方のことです。
✔地面反力(じめんはんりょく): 地面を踏んだ時に、地面から跳ね返ってくる力。これを味方にすると、筋力を使わずに楽に動けます。
実践!関節に優しい「正しい歩き方」のコツ
具体的なステップを見ていきましょう。イメージは「足が勝手についてくる」感覚です。
ステップ1:壁を使って「自分軸」をチェック
まずは姿勢から。壁に背中をつけて立ってみてください。
✔後頭部・肩甲骨・お尻・かかとを壁につけます。
✔そこから半歩前に出た姿勢が、あなたの本来のまっすぐな姿勢です。
✔現代人はスマホの見すぎなどで頭が前に落ちがちですが、これは首に8歳の子どもがぶら下がっているような重負担をかけています。
ステップ2:「足」ではなく「丹田」から動く
「さあ歩こう」と思った時、足から出そうとしていませんか? そうではなく、お腹(丹田)が先に前に進み、足は後から勝手に遅れて出てくるのが理想です。
比喩として、お腹の前に重いペットボトルを持っていると想像してください。その重みに引っ張られるように体が前に進むと、余計な筋力を使わずに済みます。
ステップ3:着地は「足裏全体」で柔らかく
かかとでガツン!ではなく、足裏全体、あるいは小指の付け根(少子球)から親指の付け根(母子球)へと、柔らかく地面を捉えます。
これを意識するだけで、地面からの反発力が「木」のように体を突き抜け、背筋がスッと自然に伸びるようになります。
歩き方の新旧比較表
正しい歩き方(伝統的・機能的)と、現代的な歩き方の違いをまとめました。
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項目
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現代のウォーキング(NG)
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関節に優しい歩き方(理想)
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主役
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足の筋力
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重心(丹田)の移動
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着地
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かかとからガツン
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足裏全体で柔らかく
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体の動き
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上半身をねじる
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ねじらず、体全体で進む
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ひざの状態
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突っ張る・衝撃を受ける
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常に少し余裕(ゆるみ)がある
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疲れやすさ
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筋力を使うので疲れやすい
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地面の力を借りるので疲れない
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忍者のようなねじらない走り方「ナンバ走り」
続いて、走り方についても解説します。
忍者のように、何十キロ走っても疲れない、そして関節を痛めない「ねじらない走り方」。その正体は、日本古来の「ナンバ走り」にあります。
忍者のような走り方の極意は、「体をねじらず、手足の動きを同調させること」です。現代のランニングのように地面を強く蹴ったり、腕を前後に大きく振ったりするのではなく、重力を利用して足を「置いていく」感覚で進みます。これにより、エネルギーの無駄遣いを防ぎ、膝や腰への衝撃を最小限に抑えることができます。
「ねじらない」ための基本:手と足の同調
現代の走り方は、右足が出る時に左手を出して「体をねじる力」を使いますが、ナンバ走法はその逆です。
✔右手と右足をセットで出す: 江戸時代までの日本人は、農作業や歩行において、右足が出る時に右半身(肩や手)が一緒に前に出る動きが自然でした。
✔ 上半身を揺らさない: 飛脚や忍者は、上半身をほとんど揺らさずに走ったと言われています。これにより、頭の位置が上下にブレず、視界も安定します。
肩は「振る」のではなく「上下」に動かす
「ねじらない」ためには、腕の振りにコツがあります。
✔ 前後の振りをやめる: 肩を前後に振ると、どうしても体がねじれてしまいます。そうではなく、肩(肩甲骨)を上下に動かすイメージを持つと、体が軽くなります。
✔腕は横で小さく: 腕を大きく振るのではなく、体の横でリズミカルに上下、あるいは小さな円を描くように動かすと、体幹が安定します。
足は「蹴る」のではなく「置く」
多くの人が「走る=地面を強く蹴る」と考えがちですが、これが疲労と故障の原因です。
✔「置いていく」感覚: 地面を後ろへ押し出すのではなく、自分の真下に足を次々と置いていくイメージで走ります。あのウサイン・ボルト選手も、実は足を「置く」感覚で走っています。
✔足首を固めない: 蹴り出す意識が強いと足首が緊張してしまいます。リラックスして足を置くことで、地面からの反発力(地面反力)をスムーズに体へ伝えることができます。
現代の走り vs ナンバ走り(忍者スタイル)比較表
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項目
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現代のランニング
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ナンバ走り(忍者風)
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|---|---|---|
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体の使い方
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上半身と下半身をねじる
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同側の手足を連動させ、ねじらない
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腕の動き
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前後に大きく振る
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肩甲骨を上下に使う
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足の意識
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地面を強く「蹴る」
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足を前に「置いていく」,
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頭の位置
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上下に跳ねやすい
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一定の高さで水平に移動する,
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得意な場面
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短距離の爆発的な加速
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長距離の移動・疲労軽減,
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靴選びの正解は「裸足に近づけること」
膝や腰を痛めない靴選びで最も大切なのは、「かかとが高すぎず、足裏全体で地面を感じられること」です。現代の靴はクッションが厚すぎるため、体に強い衝撃を与える「かかと着地」を助長してしまっています。裸足に近い感覚で、足指をしっかり使える靴を選ぶことが、関節を守る最大の秘訣です。
なぜ「高性能な靴」が膝や腰を壊すのか?
驚くべきことに、現代人の多くが履いている「かかとが厚く、クッション性の高い靴」が、かえって関節を削る原因になっているとソースは指摘しています。
✔「かかと着地」の罠: 靴にかかとがあるせいで、私たちは無意識に「かかと」からガツンと着地するようになりました。
✔ハンマーの衝撃: かかとからの着地は、膝や腰に体重の3倍以上の負担をかけます。これは歩くたびに、膝や腰をハンマーで叩いているようなものです。
✔ハンマーの衝撃: かかとからの着地は、膝や腰に体重の3倍以上の負担をかけます。これは歩くたびに、膝や腰をハンマーで叩いているようなものです。
関節を痛めない靴選びの3つの条件
膝や腰への負担を最小限にするためには、以下のポイントで靴を選んでみてください。
① 「ヒール差(ドロップ)」がないもの
靴のつま先とかかとの高さの差がない、フラットな靴が理想です。江戸時代までの日本人が履いていた「草履(ぞうり)」や「足袋(たび)」にはかかとがありませんでした。
これにより、自然と足裏全体で柔らかく着地する歩き方になり、関節への衝撃が抑えられていたのです。
② ソールが柔らかく、地面の感覚が伝わるもの
厚すぎるソールは、地面からの大切な情報(感覚)を遮断してしまいます。足の裏が地面に触れる感覚がわかる程度の、適度な薄さと柔らかさを持つ靴を選びましょう。これにより、体が本来持っている「衝撃を吸収する機能」が目覚めます。
③ つま先が広く、指が自由に動くもの
かつての日本人は、草履の鼻緒を親指と人差し指でギュッと掴むようにして歩いていました。靴の中でも指が自由に動き、地面を掴むような感覚が得られるものを選ぶと、足裏のアーチが保たれ、膝や腰への負担が分散されます。
おすすめシューズ
私も使用していますが、こういったクッション性のない靴が、正しい歩き方や走り方を学ぶのに、逆に良かったりします。
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今日からできるトレーニング
家の中でも簡単にできる練習法をご紹介します。
✔ペットボトル・ウォーキング: 2Lのペットボトルを両手で持ち、お腹の前(丹田)に構えて歩いてみましょう。お腹が先に進む感覚が掴みやすくなります。
✔足踏みエクササイズ: その場で軽く足踏みをします。この時、つま先は床につけたまま、かかとだけを交互に上げ下げしてください。これだけで地面からの反力が体に伝わり、姿勢が整います。
✔伊達締め(だてじめ)の知恵: 膝のお皿のすぐ下に、紐を軽く巻いて歩いてみるのも手です。こうすると膝が前に出すぎるのを自然に防ぎ、動きが丁寧になります。
まとめ:歩くことは、自分を整えること
かつての日本人は、飛脚(ひきゃく)のように1日に何十キロも歩いても平気でした。それは彼らが筋力に頼らず、「骨を動かし、重力や地面の力を味方につける」歩き方を知っていたからです。
「足で地面を蹴る」のをやめて、「重心に足がついてくる」感覚をマスターすれば、散歩はただの運動ではなく、歩くたびにエネルギーがチャージされる贅沢な時間に変わります。
まずは3日間、お腹から動く意識を持って歩いてみてください。きっと、体がふっと軽くなる瞬間に出会えるはずです!
